駅のホームで小説

2005年12月8日
夜中の11時、人もまばらな駅のホームを帰路に着く。
途中、錆びた鉄の板につまづき、鈍い金属音がした。
たいして痛くもなかったがよく分からない義務感からか、痛っ と声を出し、また何事もなかったかのように歩く。
ちらっと横を見ると、ベンチに座っていた20代半ばの女がこっちを見た
静寂を破る音に不快感でも覚えたのだろうか、と勝手に想像する。
その女と目が合った途端、すぐに目をそらされた。
ワタシは何も思っていませんよ、とでも言われているかのようだった

そして前を見ると、だいぶ遅れて40代前半と思われる男と目が合った
だが、動きが鈍くてなんだかよく分からない男だった。
ゆっくりとこちらを見て、そしてまたゆっくりと視線を戻す。
単なる反射神経や好奇心で確認したワケでもなく、音が気に食わなかったわけでもない。
ただ、それが前に進むのに必要な行為かのように、自然な動きでこっちを向いた。
何か?と聞いたら、答えは間違いなくこう返ってくるだろう。

別に。

音が気になったわけではなく、特に、というよりも全く意味はない。
だから男には何も言わなかった。
何であなたは生きているのですか?
と聞くのと同じぐらい、愚かな質問だと思ったから。




と、おとといぐらいの出来事を小説風に書いてみる。

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